び忘録

趣味で作ったものとかを記録していきたい

ジョーカーの構造と演技と演出がよかったなぁっていうの話

 ジョーカーの映画を見たので感想をまとめた.
母親を支えながら,貧乏だったり精神病っぽいのを患いながらも,頑張って生きてるアーサー君が,じわじわと不幸な目にあいながら壊れていく.
その過程を映像と音楽のパワーでゴリ押しながら,魅せていく映画であった.
ちなみに,バットマンの知識は前日にダークナイトをみたくらいなのでにわかです.
基本的にネタバレ.


 ジョーカーというか,アーサー君がいかにジョーカーに変身していくかの経緯を描いた映画であった.最後にどうなるのか,観客の全員が知ってるそれを滅茶苦茶気持ちよく気持ち悪く描くのが天才的だった.

 妙に納得感があったのは,ジワジワとアーサー君のねじが外れていくところだった.
一つ一つの起きる事件は,アーサー君がボキっと壊れる決定打になりえない.
少しずつ,壊れていく.曲げられて歪められていく.
その過程は,真綿で首を絞められるように苦しい.
その一方で,観客は彼がジョーカーに変身するという結果を知っている.
だから,その苦しみもフリークを育てる糧であることを知っているので,受け入れられてしまう.恐ろしく頭のいい奴が考えた構造の映画だと思う.


 後は,演出と演技が尋常じゃなくよかった.
 アーサー役の役者さんの笑顔の演技が迫真すぎて,怖いレベルだった.目は泣いてるのに,口だけ笑っているっていうのが,演技でできるのかと思ってドン引きしてしまった.
あとは,カチッとスイッチが入ったように,狂気に飲み込まれたり,どっかで理性が働いて,警察の電話におびえたりする.それでもジョーカーとアーサーが連続した人間で,突然変異的に生まれたフリークでないことがわかる.
これを演じきれる役者さん凄すぎる.

 演出も個人的な趣味にぶっ刺さりであった.対比の表現が好きなので,特に階段のシーンがたまらなかった.
 映画が始まって,すぐに映るクソ長階段君をみて,君の名はじゃんw,とか思っていた自分が恥ずかしい.映画の序盤のクソ長階段をしんどそうに登っていくアーサー君は,しんどさの象徴といってもいい.その一方で,最後にウッキウッキでダンスしながら階段を下りていくジョーカー君は,最高に楽しそうであった.階段も降りるし,人間としても堕ちていくのに,ハイになっていく.あのシーンめっちゃ好き.
 あとは,明らかに残虐インシデントがおきてるのに,死ぬほど画とか曲が明るいシーンもよかった.ラストも,白々しいくらい明るくて,ハッピーエンドみたいな空気に満足してしまった.
 

 直接関係ないんだけど,字幕版を見たので,英語のセリフ回しとかと微妙にニュアンスが違いそうなとこがありそうで気になった.*1
この記事でもちょくちょくフリークって言葉を使ったけど,これは字幕には出てこないけど,劇中で繰り返し出てきた単語であった.
ここら辺のニュアンスが直接飲み込めるようになったら,もっと面白いんだろうなと思った次第です.

 凄い面白い映画が見れて大満足でした.とりあえず,"That's Life"を聞こうと思います.


追記
 一緒に見た友達の感想で,「ジョーカーってもっと知能犯みたいなイメージだった」っていうのがあって,確かにと思った.
個人的には,これから悪のOJT的なことをして強くなっていくのかなぁ~とか思っていたけど,他のブログとかをみたら,ジョーカーという概念が生まれたのがここなんじゃないの?みたいな考察があってなるほどってなった.概念としてのジョーカーが生まれたのがここだとしたら,バットマンとジョーカーの年齢差が凄そう問題とかもしっくりくる.
バットマンバチバチやるジョーカーは,ここで生まれたジョーカーの概念を持った別の人だったりするんかなぁって,思っても奥が深そうである.ジョーカー化するウィルスもあるらしいしぃ...?

*1:cent の下りにめっちゃ翻訳者の技を感じた